世界に君は一人だけ ~独家童话感想メモ書き~
7月27日、ついに約2年の時を経て独家童话の配信が始まった。ワクワクドキドキするばかりかついにジュンさんの主演ドラマが始まることに感極まり、仕事中涙ぐむ顛末だった。…にもかかわらず、結局1ヶ月経ってもPCから遠退く生活で中々再生ボタンまで辿り着くことができないでいた(主に原因は疲労)
ドームツアー皮切りが約1週間後に控えた8月末、いちジュンペンとしてこのままの状態で会うのはまずい…!(自分の心持ちとして)と急に焦り出し、様々なタスクを後回しにしてようやく観始めることができ、公演に入る当日深夜2時に最終話を観終わった。
さて、Twitterで感想を話すタイミングを失ってしまったので折角だしまとまらないままのメモをここに書き残すことにします。ネタバレが含まれます。
・多くの人が言うように、独家童话は単なる恋愛ドラマではなく、人生の話で、もっと大きいくくりの、「人間ドラマ」だった。赤ちゃんの頃から一緒の2人が学校生活を経て仕事に邁進しながら結ばれる。その過程があまりに愛おしくて、最終回はよかったねよかったね、と他人事と思えない喜びに溢れた。
・1人の人間の成長を見ている、そう思うと、凌超に対して「ジュンさんの顔をした凌超という1人の人間」だと感じて。いつもの弾けんばかりの笑顔も、そわそわした落ち着かない動作も、恥ずかしそうな照れ笑いもなくて、コンピュータとゲームとうさぎちゃんが好きな1人の人間を目撃していた。瞳の奥は真っ黒で、口はちょっとしか開かなくて、めったに笑わない。でも最終話の、家族写真を撮るときににこりと微笑む顔はいつもの見慣れたジュンさんの顔だった。2人の人生が同時に立ち現れて涙が止まらくなった。
完走当日、東京ドームでジュンさんを見た時に、その身体に宿る文俊辉という魂はたったひとつのかけがえのないものなんだ…という、至極当然で、でも忘れてしまいがちなことを思った。今回文俊辉という俳優が1人の凌超という人生を生きたこと、でも俳優のその人生はジュンさんそのものであること。ジュンさんがジュンさん自身の人生をなんの後ろめたさも感じていなければいい、誇り咲いていてほしい永遠に、と願った。
・言わばサイボーグのような凌超だけれど、話数が進むにつれ感情の機微が少しずつ見えてくる。そして基本的にうさぎちゃん目線で話は進むのだけれど、凌超自身の成長や変化の部分は言葉数少なくても伝わってくる。と思うと本当にジュンさんの表現力すばらしいな…と思った。社会人凌超がうさぎちゃんを前に涙をぽろっと流すシーンはジュンさんの顔だけど見たことない顔だった。もうずっと見ているはずなのに、まだまだ知らない顔があること、そしてそれを芝居の上で見ていることになんとも言えない感慨深さがあった。やっぱりもっと演技のお仕事が見たいな。
・てか急にオタク的な観点の話するけど凌超の感情を表には出さないけど内側でフツフツと燃えたぎってるキャラクター造形、大好き…。日本語吹き替えのCVは内山昂輝さんでよろしくお願いします(!?)。
・うさぎちゃん、ずっとそばにいる人を救っていく子で、まさしくヒーローだった。かっこよかった。意思の強さ、運命を切り開く力に溢れていた。
・インジーハンはやっぱり憎めないキャラクターで、凌超と対照的で人間味に溢れていて(というか初期の凌超を覗いてみんなとても人間的なんだけど)親近感しかなかった。めっちゃお金持ちだけど。
インジーハンがうさぎちゃんに惚れるきっかけが対等性だと思っていて、ここでもうさぎちゃんの裏表ないまっすぐな性格に憧れるな〜。
・嫌なキャラクターがほとんどいなくて(大抵嫌な奴は作中フェードアウトする、勧善懲悪っぽいところあったな)、主人公たちを見守る大人たちが良い人ばかりなのすごくよかった。私は大人がしっかりしてる作品が好きなので…。
ジュンペンのファンファンちゃんと地理得意くん(名前…スーウェンくんかな)のカップル、とても等身大だし、お互いを尊重する構えがよかった。
そしてリンロンちゃんの凌超への本当の想いをこぼすシーンにぐっと来た。そうやって内省を重ねて辿り着ける意志がかっこいいし尊い。
・思春期から社会人までを描く作品だけあって、夢やその時期特有の悩みにフォーカスされた回も多くて。幸せな恋愛!というよりそういう10代の泥臭さがコミカル調に描かれていて、面白さと同時に「あるある!わかる!」と思いながら観た。私はもう思春期はとっくに過ぎたので、どこかあたたかい眼差しで見守るような気持ちだった。
・一番好きな場面は12話のワンカメシーン。元々こういう演出が好きなのもあるのだけれど空間的にも時間的にも奥行きを感じてとてもよかった。
あとマンションで2人ゆらゆら踊るところ。美しかった。
時々木漏れ日とかなんてことない瞬間を挟むところがすごくドラマチックで、私はこういう作品が好き…。
・正直、恋愛ドラマを楽しめるのかという不安も大きかったし、去年は今では信じられないがかなりドギマギしていた。でもWeiboで更新されるショート動画などを見たりしているうちに、ここに映っている人はジュンさんのかたちをした凌超という人間だ、と思えてきて、実際ジュンさんもそういう発言をしている。
なんせ首を長くして待った主演作。ジュンさん本人も待望していたと見えて、私は何よりそれが嬉しかった。ジュンさんすごいよかっこよかったよ、主演おめでとうお疲れ様。
身構えた時間もあったし、視聴中少々のしんどさもあったけれど、登場人物全員の人生をまざまざと見ているうちに「恋愛」の枠で語る理由もないなと感じた。テーマとしては男女2人のそれなのだけれど、うんうん素敵だね、末永く幸せになってねと、長い付き合いの友人のような気持ちだった。
1話から24話まで、ひたすら穏やかであたたかい作品だった。携わったすべての人たちに感謝と敬服を。